Born To Win [ガードレールをくぐりし者たち]/プテラノドン
そいつの妹に言いやがったガキ共を、
家の前の、とうもろこし畑に連れ出して
ぼくと兄、それとかつては通学班だった連中と
何度も蹴っ飛ばしたのは。ぼくらを止めることなく、
そいつの妹と一緒に、ぼくの妹が泣いていたのは。
そして未だ、手つかずのままの拡張工事の看板には、
兄と描いたスプレーの落書きが残ったまま一年が過ぎた。
ひび割れたアスファルトから年中草が生えていて、
風呂上りに一人で散歩しながら蹴飛ばしたりしている。
それはそうと、一度ぼくは、はねられた野良犬が草むらのなかで
死んでいくのを、歩道橋の上から見かけた。
「私はー」と、妹は言って、
子育てをしていた野良猫を見たことがあるよ。と、
猫たちがいたそこを歩道橋の上から指差したが
ぼくには暗くてよく分からなかった。
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