saga/靜ト
 


「まだ諦めてないのか」

季節は夏を出し惜しみして 中途半端に突き抜けている
そんな景色をぼんやり眺めていたら
急に耳のそばで声がした
みどりいろの小さな悪魔みたいなイキモノが
あたしの肩で冷ややかな笑みを浮かべていた

「餓鬼のクリスマスのプレゼントみたいに簡単に手にはいるとでも?望み続けることで?」

煙草をふかしている
あたしは状況に驚かない そんな暇があったら祈りたいから

欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい

あの人が

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