クールなアンサー、もしくは “キャンセルのお詫びとお知らせ”/ひとなつ
、答えるようにFのコードを弾いた
クールでもあり、また別の意味でもクールであったが
彼の彼なりのロックンロールなアンサーだったろうか
しかし3本の弦から街に響き渡るのは、やはり虚無だった
彼は雨よけのビニールに残響を残し、一度も振り向かぬまま商店街を去っていった
私が彼をそれ以上詮索しなかった理由?
フェードアウトしてゆく彼の響きには、私を突き放そうとする厭世的な孤独感が感じられたからだ
日が暮れて
私が、彼のあのクールなアンサーの理由を知ったのは
その夜、彼のホームページを見てからだった
『ワールドレコードより
:
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)