『懲罰的ホメオスタシスの報酬』/Leaf
藁葺き屋根の旧家の庭先には雨雫垂れる五月雨のなか宿ると云う
パラサイトだよ、人生は、
と謳う縁側に何度目かの越冬で老いた蓑虫が背を丸める
障子の破れは窮屈な己れの心の風通しを考えてのことだわい
びゅうびゅう びゅう
喉にへばり付く程に紫煙燻らす
寒いなあ、楮弊燃すか
支配だよお、概念観念濁すか
低温火傷だなあ、嗚呼
溝鼠も喰わぬわ、小僧
隣の謗りには迂回で警鐘だとお
此れで飯喰える訳ねえぞお
ほお ほほお
知らぬ存ぜぬにばかり卓抜するとは髑髏(されこうべ)ばかり育ったのお
ほれえ、鍬持てえ、ほれ
不作為が仇になったなあ
お天道様に対する背徳だぞお
沃土を前に羽交い締めさあ
根絶やしにはさせね
何が偉いか、奴さん
何かに取り憑かれてるのかあ?
嗚呼、寒いな
もっとくべてくれえ
火群おお 火群おお
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