サブリミナル、暴発/ひとなつ
たまらなく好きだった。しかし、
大手社員の客は自分の会社の金で散々飲み放題して
いる人使いの荒い、わがまま重役が大半に思えた。
彼らの態度、行儀の悪さに嫌気がさしていた私は、
ときたま“抵抗文学的な”対応に出る事があった。
例えばこんな話がある
「トイレどこ?」
こんな質問を、彼らは人目をはばからず大きな声で投げてくる
私は攻撃をしかける。
「2階の“なかほど”にございます」
お気づきいただけただろうか、
これは朝の通勤ラッシュのアナウンスから引用したサブリミナル攻撃だ
通勤のあわただしさと息苦しさ、地下鉄の空気を表現しようと試み
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