アイスクリーム/アンテ
 
んの横に寝そべったんだ
並んで手をつないで

なんで泣けてくるんだろう

ああ あたたかい

名残惜しさをぐっとこらえて
起き上がって先に進む
連絡通路のソファで休憩
お見舞いの小さな子が
不思議そうにようくんの喉を見る
まだまだ廊下を進んで
角を二度曲がって
目的地の売店にやっと到着
ドアを開けると
あの時と同じおばさんがいる
もちろん周到な根回しの結果だ
あらどうしたの
なんて言葉をさえぎって
ようくんは握りしめていた五十円玉を差し出した

いまどき五十円じゃ
アイスクリームひとつ買えないけれど
おばさんとは交渉済みだ
保存ケースをのぞき込んで
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