続・素顔同盟/不可思議/wonderboy
注)
続・素顔同盟
先生は社会を教えていた。
「……つまり、市民が仮面をつけだしたことによって、人と人との摩擦はすっかりなくなり、平穏な毎日を送れるようになった……。」
先生は教壇の上で仮面に笑顔を浮かべ、熱弁をふるっている。
「……この便利さを、一度手にしてからは、元に戻るわけにはいかなくなった。やがて、この仮面は法令化され、制度として確立されるようになった……。」
僕は隣の友人の顔を見た。必死にノートをとっている彼の顔もまた笑顔だった。それと同じ笑顔が四十個(僕の笑顔も含めて)先生に向けられているのを、先生が同じ笑顔で受け止めている。
「……きみたちも現在、義務として仮面
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)