チューインガム/山中 烏流
 

溢れる波によって
私/あなたは
動かされているだけだ
きっと
多分、そうだ



関係ない話をしよう
本当は小さい頃から
可愛いものが好きだった
それでいて、寂しがり屋で
頭をなでられるのが
何よりも好きで
ぬいぐるみに囲まれるのが
ささやかな夢だった
ただ、それがいつのまにか
ねじまがってしまって




額に触れる
あなたはきっと
最初と言われるより、前から
私の
一番しつこくて
甘ったるいであろう部分を
知っていたんだろう



音楽は止まない
ときおり早くなるそれに
じ、っと耳を澄まして
私/あなたは
その
名前、を呼ぶ


ひだまりに咲く色は
何も
柔らかいものばかりではない
しかし、それすらも
あなたは常だとして
その事実に触れることを
幸せだ、と言う







まるで

口付けるように、






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