まずい物を食べさせられても、君が好きだから。/千月 話子
 
味気ないカレーを食べた
寝言は 「虚しい、虚しい」と繰り返すばかり

角膜に幻覚を突き立てて
あくる朝 すっかり日が昇る前に
確実に思い知らせよう!

真っ赤な唐辛子をかじりながら
高潮に向かって   「ばかやろー!」
と 雄叫びをあげるんだ

体中が ヒリヒリと痛み出したら
目 を開けて
隣で眠る 君にキスして
 フン! と笑う

 カレーを不憫に作る人  あるいは・・・天才。



伸びきったラーメンに チャーシューは無し
沸騰したお湯が 119番を押そうとしている

血液に 氷点下の氷を混ぜて
夕食の腹の虫が わめき立てる前に
確実に 思い知
[次のページ]
戻る   Point(5)