無縁/プテラノドン
 
夕暮れ時、河川敷に沿って立ち並ぶマンションに灯された
幾何学的なライトを見ながら、「太古からの結晶」と、今朝ラジオで耳にした
CMの一節を反芻する。それから飢えた胃袋を黙らせるように煙を吸い込む。
母親たちが料理を作る間、子供らはテレビにかぶりつき、母親たちが
テーブルにのせた(雑誌かなんかの)レシピに視線を落とした隙に、
テレビは子供らを吸い込む。ウソじゃない。

愚鈍な同僚たちをよそに、一足先に仕事を終えた男は、携帯電話を取り出す。
そしてボタンを押してまもなく、マンションの一室の明かりが消え、数分後には、
男のいる車の助手席に、街で見かけるような女とは一線を画した
魅力を
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