ラズベリー・パウダー/くれいじー・こすぎ
 
あの日を境に、別々の道を歩んだ二人
このまま手をつないで
ずっと温もりがあるはずの未来
一瞬にして消えた
今日は一人で晩ごはん


ラーメンの香りにつられた
「金が無くてごめん」
いつもここの味噌を食べたな〜
ねぎとコショウがたっぷり
主人にはお世話になったな


一人の帰り道
マフラーで口を覆う
冬も本番
寒いから家にずっといたい
それに
見なくていい物ばかり
見たくない事ばかり


懐かしさがやって来た
甘く、苦く、気持ちよく、切なく
何も知らず
何も分からず
ただただ笑って泣いた日々
夏の水着と花火
秋の紅葉
冬の景色
春の別れ
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