川べりに居るとき僕はいつも孤独だった/五十里 久図
 
瞬間瞬間が身と心を削るように降りかかる。
御霊よ御魂よ
この地に降り注ぐ力の火が
凍る明日を逆に照らし、曇る昨日を無に還す

人の世が辛いなら
今こそその日のけじめの日
狂った人と凍った人と、壊れた人と腐った人
私とあなたの散り際は
いつも終わった頃に洗われる

この心臓と内臓と、鼓動に満ちた体温と、まだ見ぬ空の、向こう側
あの天蓋の外の蓋、卵の殻とコンドルと、扉の閉じた人の生
殻は空で、雲は蜘蛛のかたちをしていたよ

そのことを誰かに伝えたくて
僕は一人川の畔で待っていた
それはとても綺麗な光景で
太陽と水面が混ざり合う、そんな奇跡のような場所だった
それな
[次のページ]
戻る   Point(1)