真夜中と君と/ウデラコウ
 
の下を まっすぐ歩いて
目の前の背中が消えないように 消えないように 消えないように

そっと願いながら
なんだか無性に泣きたくなって

涙がこぼれ落ちそうになるのを必死にこらえると

君が振り向きもせずに


泣いてるの

って聞いてくるから
僕は慌てて 違うよって返すんだ

それでも君をごまかすことはできなくて
君がそっと僕の方へ伸ばす腕に
何も言えず そっとつかむんだ

何も言わない君
涙をこらえる僕



真夜中は静かに闇に溶けて
このままどこか知らないとこへ僕たちを隠してくれればいいのだけど

24時間のスーパーはすぐそこまで迫ってるから
僕は一度だけ目をこすって
また 空を見上げる

このまま君がずっと そばにいればいい

そんなおこがましいことを願いながら
掴んでいた君の袖を もう一度強く



掴みなおすんだ


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