真夜中と君と/ウデラコウ
真夜中に君はスーパーに行くのが好きで
日付が変わるか変わらないかの瀬戸際に
もう誰も見やしないのに たいそうしっかりおしゃれをして
律義にエコバックまで持って 僕を連れ出すんだ
僕といってはもう眠くて仕方がないのだけど それでも君がいないのはいやで
着古したTシャツと履き潰したジーンズで君の後ろを追いかける
漆黒に溶けてしまいそうな君の黒いジャケットを
つかみたくてもつかめない僕は 置いていかれないように
いつもより大きくあるいて
夜空に漂う紫煙をぼんやりながめて
苦手なそれに 少しだけ咳をする
雨上がりの夜は 空がとても綺麗で
落ちてきそうな星の下
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