ライク ア ローリングストーン!/チャオ
 
足、伸びない足、地につくと痛む足、宙に浮くと痛む足。痛みが体を支配して、僕は歩きながら、泣いていた。痛くて、痛くて。

フランクルの著書「死と愛」で、足を失った人が、ベットから起き上がった瞬間泣いてしまったエピソードがある。そのとき、医者は「君はマラソン選手じゃないだろう」といって励ました。彼はその瞬間。自分の使命に気がつき、その後の人生を、自分を見つめることができた。

失われても、失うことのできない使命が人にはある。僕は、どんなに走ることが好きであっても、走る使命を持って生まれてはいない。僕は何か特別な使命を持つことが許されなかった人間だ。
そう、何か漠然とした使命感が、僕の足を切り
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