最期の一球/ark-eyes
 
「届け!」

そう思い投げたボールは
砂ぼこりの中へ消えていった

小さな少年が織りなした
短い物語は

誰の心に届くこともなく
彼の心の奥へ消えていくのだ

少年は新しいものと触れ合う
そして新しいことを考える

あの革新的なデザイン
かの業界を驚かせる斬新なフォルム
「あの子は天才だわ。」
「きっと神の申し子ね。」


人々が傾ける耳の先には
少年が息絶えるはずの空

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