『少年と渡り廊下』/Leaf
 

優しさなんてものは
いとも簡単に覆される

甲斐甲斐し過保護と
揶揄した数式によって

頼もしさなんてものは
いとも簡単に透かされる

曖昧な齟齬と
ちょっとした拘泥によって

隣の教唆を越え、声を荒げた渡り廊下に少年の無垢な白い球


おとな達は
躊躇いもなく
執拗な黙殺の弾道で
喜劇の保身に曲げられた


ボクたちは
あらゆる制御も実を成さず
外連味たっぷりの足跡で
模索の跳躍を嘲罵された

相乗は多面的であるべきと説く人の懊悩に
精錬は一義的であるべきと説き伏せる先の歪曲に

茫夸とした雨上がりの咀嚼のあと
昼間の移ろいに

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