『蓄・脳・症』NEO DADA/Leaf
 
それは傘マーク寝起きに刺さる尖った音階だ、とか

それはキャブドライバーの憂鬱とケミカルな気分だ、とか

それは雲間に見せる僅かな隙に流れる青空と削れるワイヤーの調べだ、とか

それは息し続けるべきだろうかと一気にタバスコを飲み干す情熱と沈静だ、とか

それはバチカン宮殿に住みついた猫達の開いた瞳孔だ、とか

それは遠くに見えた阿蘇の噴煙より近くに見えたゴビ砂漠の陽炎だ、とか

それは左手首に置いた指先がカウントする微弱な脈動だ、とか

それは関心なフリして博愛ぶる無関心で残酷な優しさだ、とか


それは…

それは…




残骸か足跡かは誰が決め
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