時間泥棒/佐藤真夏
 
ゴミを捨てたいけれどゴミを出せる日が決まっているなんて
ヒトの暮らしも楽ではないな
だから
ぽたぽた落としてしまうのね 溜め込めなくて

女の子には月に一度、血液まで捨てる義務があって
永久に持ち越せるものとは一体

目と目を繋いで
時は止まった のに
君は玄関から出ていかなければなりません
時間が奪う安らぎ は
私ひとりのものではない証拠
それでも
ぽたぽた落とす 今日のディテール
それを目印にして
もう一度今日を繰り返すこともできず
不確かな明日に突入してゆく

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