基盤/小川 葉
 
 
 
電話のむこうに
君はいたのだから
わたしは
分解して探す

真夜中
君からの電話で目覚める
何も話さない
街の音が聞こえる
誰かを探してる
足音が聞こえる

分解する
蓋を開けると
見たことのない街
君が歩いてる

携帯電話で
しきりに
何か話してるけど
声は届かない

その街で君は探す
この街で
わたしも探し続ける
 
 
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