sixteen/アオゾラ誤爆
と唱えた。
じりじり――かわいた熱が、肌や草木やアスファルトを焦がす。
バイト帰りの青年はカメラのファインダーを覗くと、さっきまで立ち止まっていた少女がしゃがみこみ、指で内臓を弄るのをとらえた。丁度ひざ上で静止している風、制服に映える白いふともも。
信号が赤になった。
母親に手を引かれ、少年は見る。
鳩の群れのように一目散に飛ばされていく人々の波。
私は見る。
じゅくじゅくと熟れた傷口のような、あるいは思春期のような果物の裸体。
少女はそれを、踏む、つぶす。
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