もう遅いだろうけれど/
蝶澤
私を忘れないでいて、どうか
この囲まれた世界の中、どこかにいるのだから
もう結ばれなくても
あの美しい奇跡を忘れないで
私はもうこうして生きていくのだから
だからどうか
悲しくなんてないんだから
あの夕闇に包まれていたら私は生きていける
これ以上愛する術を知らないまま
近づけない貴方の背中を焼き付け続けるのよ
今は他の誰かにしわを緩めているのですか?
・・・
まだ空をにらみ続けているのですか?
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