明日の予定/小川 葉
 
 
 
とても広かった
世界がこんなにも
小さくなって
わたしは人の形をしている

魚になることも
鳥になることもできた
自由なこの世界で

いくつかのわたしが
はみ出してしまった
世界の果てで
たどり着いた
人という生きもの

明日もここにいるかは
知らないけれど
知らないなりに
明日のことを考えている

ほんとうの
魚と鳥が
わたしになるまで
いったいどれほどの
明日が必要なのだろう

わたしにも
明日があった
予定しない
速度と距離を保ちながら
あるがままの果ての
わたしの今にたどり着くための
 
 
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