大後悔時代/あ。
 
生きることは
漂流することだ

海路は
はっきりと見えるものではなくて
だから時々迷ってしまったり
沈んでしまいそうになる

大波にさらわれたら
口からぷくぷくと細かな泡を吐き出し
出来るだけ脱力して
浮き上がるのを待つしかない

いつの間にか
知らないところを漂っていると
嘆いても悔やんでも
元の場所なんてもう忘れたよ

ぼくたちは
生きている限り漂流だ
迷ったことを悔やんでいるのもまた
ひとつのさざ波なんだ
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