大後悔時代/
小川 葉
海の向こうから
一両編成の
列車がやって来る
線路の上を
走り続けることを
あの日諦めてなければ
というような顔をしてるけど
僕はそのことについて
何一つ触れない
他愛のない話をする
夜、布団を敷いて
二人並んで眠る
眠るまで
これまでのこと
これからのこと
たくさん話す
波の音だけが懐かしく
とてもやさしい
朝、列車は再び
海の向こうへ発つ
時刻表もホームも
線路も何もない
この世にひとつしかない
彼の駅から
僕が今日も
生きていくために
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