猫背の囚人/
信天翁
花をめでる綿雲があった
その綿雲を抱擁するそらがあった そして
その深いそらからは 天使の梯子が降りていた
そんな昔はわすれよう
いまはただひたすらに
かみさまからのフレキシブルなお話を
お聞きしよう
それなのにやっぱり思ってしまう
あんなに忘れようとした
むかしのかぜとひかりを
さもいとおしげに
ふるさとのあばら家をぬけだし
町はずれのアベニューをさまよい
野末に広がる海をながめて
思ってしまう
戻る
編
削
Point
(1)