猫背の囚人/信天翁
 
          花をめでる綿雲があった
  その綿雲を抱擁するそらがあった そして
その深いそらからは 天使の梯子が降りていた

           そんな昔はわすれよう
           いまはただひたすらに
    かみさまからのフレキシブルなお話を
               お聞きしよう

      それなのにやっぱり思ってしまう
          あんなに忘れようとした
          むかしのかぜとひかりを
             さもいとおしげに

ふるさとのあばら家をぬけだし
    町はずれのアベニューをさまよい
         野末に広がる海をながめて
               思ってしまう
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