五月の音楽/
瀬崎 虎彦
バスドラムを踏みすぎて
ブラッドベリィはくたびれた
チャーリー・パーカーが着くころには
心は真白い駅舎の中
誰も悲しい夢を見ない
あるひところの黄金時代を
取り戻そうと音楽は
五月の虚空に冴え光る
ラバーソールで忍び寄る
冷たくタイトなベースライン
あとはただ声を待っている
幸せと不幸を夢見る声を
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