夜明け/乱太郎
 
夜明け
窓から冷たい空気を
迎え入れたとき
君に恋していたことに気づく

吐く息が白く
一瞬雲になり消えていく
君のいない空の向こうに

なぜ
夏でなくて
この冬の季節に

しろい白鳥がやってくる
凍りついた湖面で
やさしさ
つよさ
翼を広げて
恋を羽ばたいて

なぜ
大陸から
この冬の季節に

空はいつもの顔で
僕と白鳥を覗いていた


そういえば
蒼い地平線の向こうから
まもなく流氷がやってくる
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