しかられて/銀猫
野良猫を叱るために
名前をつけた
せっかく咲いた花の匂いを
ふるびたさかなの骨で
台無しにしたからね
眠れるはずの夜は
色が薄くて
もう愛想が尽きた
昨日歩いた川べりで
干からびていたハルジョオン
たぶん
ゆめの成分に似ている
みず、
水
ゆめ、
見ず
眠らなければ
失くしたことに気づかない
きっと
みず、
見ない
野良猫は明日も来る
さかなのゆめを
毎日見ているのだろう
その土くれに
さかなはいないよ
ひとつだけしか
名前は用意できなかったんだ
(春と夏に挟まった
(今日にはなまえが無い
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