ドクターペッパー/ひとなつ
私は三ツ矢サイダーやカルピスウォーターがのたまう青春に惑わされずに生きてきた。
それが甘いことに腹が立つからだ。
水に砂糖を混ぜるのは
テレビで人を騙すのと同じ
アンタはそれをどっちもやったね
私は三ツ矢サイダーやカルピスウォーターがのたまう青春には興味がない。
私の校庭は押しつけられた青春を受け止められるほど大きくないからだ
西日と朝日があってそこには誰もいない
砂を噛みしめることを躊躇わない
強いて言えば僕は忘れ物を取りに行く夜の幽霊だ
見回りの先生は言った
私は三ツ矢サイダーやカルピスウォーターがのたまう青春に興味がない。
これは本当の話
彼はドクターペッパーなのだった
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