雑踏/松本 涼
 
夢を見たよ

まだ君も僕を嫌わず
まだ僕もお喋り好きで

君がどこから来たのか
知りたがっていた

僕らどこへ行こうか
話し合っていた


君はどうして鳥に
生まれなかったんだろう

僕はどうして魚に
生まれなかったんだろう

雑踏で擦れ違うくらい簡単にさ
不思議だね


君の目は一本道のように
僕の身体を突き抜けて

僕も振り返り
その先を見ていたんだ

とてもよく似た色で


ねえ君は
同じ色って存在すると思うかい

今でも


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