「戦争」の虚偽と「正義」の再構築−「存在の彼方へ」を読んでみる18/もぐもぐ
 
のが法である。力と権威のコミュニケーションにより争いを止める(レヴィナス的に言えば、別の形で争いを継続する)のが政治である。言論による戦争の防止も、これらの何れかの形を取らざるを得ない。

「宗教」で「戦争」を止めるなど、馬鹿げている、そう思う人もいるかもしれない。
一方で、身近な人々の間での争いは、出来れば避けたい、或いは時に争うことになっても、それ以外の場合には共に平和でありたい、と思うのは良くあることである。

「平和」を求める心と、その不可能性の間とで、私たちは揺れ動く。

これはあたかも、カントのアンチノミーにも匹敵するアンチノミーである。宇宙には始まりがあるはずであり、ま
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