からっぽ/さき
 
昼の太陽が
無神経に通り過ぎる
カーテンの隙間
シーツの影
あなたと遊んだ
思い出ばかり


どんなに柔らかな風が吹いたって
どんなに素晴らしい歌を聞いたって
何もない
情けないほど
からっぽな私の
無感動な涙を誘うだけ


あれから幾日過ぎたって
どれだけ繰り返しても
時間は進まなくて
すべてを支配する神様のリモコンが

とても欲しい
辛いときだけを早回しに
私の涙も早回しに
そして
あなたがこの部屋にいたあの時間に
巻き戻し


昼の太陽は
とても無神経で嫌い
起きたあなたの柔らかい笑顔
照れた仕草
そしてもう一度の
可愛いキス


今の私には何もなくて
思い出すばかりで
本当に何もなくて
からっぽで







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