オカリナの吹く森/
乱太郎
く
(・・・・・
誰が吹いているのだろう
まるで少年のような
・・・・・)
鹿の群れでは
母鹿が小鹿のそばに近寄り
首筋を舐める
その周りで
華麗に踊る黒アゲハ蝶が
どこで休もうかしら?と
黄色い菜の花に尋ねている
ミツバチが次から次へと蜜を運び
その下で
蟻たちがせっせと食べ物を運んでいる
人には聞こえない
オカリナの音色は
いつまでも森を包み込む
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