夢物語〜昔話と幻想と〜/もこもこわたあめ
 
赦してくれる君の そんな君のまなざしに

ただ ボクの昔話を
触れれば 溶かしてしまえば 切り刻まれる
決して誇らしくはないけど それでも ボクの真実

たとえば十年の昔 ボクには
君ではない
親友でもない 恋人でもない けれど 
好きになれる人がいました ただひとつを共有できる そんな人
その人はとても自由で 纏う翼は空のように澄んで見えた
大きな優しさを従えて 羽ばたく姿は空そのものだった

ボクはそのとき 内面の弱さを見せてもいいと思った
この人なら と
確証はなかったけど 確信はあった

けれど ボクの心はボクのおもうよりも相手には受け入れがたいもので

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