「 からからから。 」/PULL.
なめくじはぬらぬらと涙の痕を引きずってひと夜の殻もとめ。
待ちあわせは雨の夜アジサイの葉の裏で絡みあう恋のそれからの、
まぶしい太陽にツノ伸ばしヤリのような雨を待ってからからと。
おくびょうなな殻付きは殻に閉じこもりこわくないよとからいばり。
だからいつからどこからこれからだれからからからなみだもひからびて。
潮風に撫でられきみは昨日よりもすこしちいさくなった気がする。
道端のうち捨てられた殻の中つかの間の殻付きの夢見た。
了。
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