曼珠沙華/一平123
 
線香花火の逆立ちに

少しひしゃげた季節の暮れは

そっと吹くかぜになびいて

枯れてゆく



咲くまで

咲くまで

生きたけれど

本当に咲いたかな


毒を飲んでは

苦さを孕んで

やがて小さく咲く日まで

それでも大きく咲けたなら


君はもういない
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