砂の上の植物群/
かとり
夜の砂漠
やはり私は砂丘に座って
かつて見あげた
星々を想いだしている
遠景を
描き起こすように
かの名を
声を
夜空の底の白い
砂の上の植物群を
わたしはぜんぶおぼえていたいと
午後
おたがいに匂いを嗅いで
おたがいによりそって
おたがいに愛おしんでまた
らくだ達は歩きはじめる
影を踏み
顔を振るわせ
耳を張り
黒い視線を遠くに投げて
砂を噛んだらそっと
らくだ達は歩きはじめる
戻る
編
削
Point
(3)