砂の上の植物群/かとり
 


らくだの一群が
ゆったりとした足どりで歩いている
少し重くなった砂は瞬く間に乾いて
黒雲は遠くに行ってしまった
明るく熱い砂は
さらさらと緩い風に運ばれ
風に乗ってあるものは遠くに行き
そこで次は嵐を待つ
輝く地平に
動き始める丘
あなたの痕跡はすでに忘れ去られたが
金の原に芽吹きだしている

地下

積層の都
亡霊達の車輪が
がたがたと
せわしなく音をたてる
「馬車だ」
馬車が通る
赤い水を欲する寂しい目は
土のなかで膨れ
骨はやぶれて
新しい骨はまたつぎつぎひらける
節くれだった
指先に蕾
緑の魂は泣きながら広がる



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