[待ち惚け]/東雲 李葉
考えなければならないことが山ほどある。
けれど本当は大事な振りして雑なもの。
人を待つ。嫌いなことではないけれど、
本当の自分が削がれるようで実はかなり苦手である。
傘がなくて往生している。友達なんて役には立たない。
なのに今こんなに求めてしまうのは僕が淋しいからだろうか。
雨で花が散る。二色の雫が僕を打つ。
君の首の黒子はきれいだった。いつまでも見ていて飽きない。
愛とは何か、答えなんて宛てもないけど。
今さっき考えてたことが実は一番近い気がする。
乱雑な頭の中を片付けてただただ来ない人を待つ。
傘を手向ける君を待つ。
来るはずないと分かっているから余計に希望を持っている。
夢のような奇跡を信じて退屈な時間を潰していく。
友達らしき人を待つ無駄なようで有意義な時間。
目が覚めたら君の傘にいられたらいいのに。
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