誰も知らない 〜ノーベル賞って何よ〜/東京カラス
 
 とっても寂しいのね
少女の声が 聞こえた

「それ」も知らない
少女の存在

「それ」は旅をしていた
全てのものをすりぬけて
誰にも見つからずに
誰にも気づかれずに

ずーっとずっと
旅をしていた
得るもののない
永遠の 鬼ごっこ



運命が変わった
いや、運命だから決まっていたのかも
とにもかくにも
「それ」は
少女に出会った

正しくは少女を通り抜けた

「それ」は声を聞いた

 寂しいのね
 ひとりなのね
 もうだいじょうぶ

少女が感じた
「それ」の孤独
「それ」も知らない
「それ」の孤独


少女の次に通り抜
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