さようなら さようなら/瀬崎 虎彦
 
真昼に背伸びする
僕達の忘れ物が
緑のてのひらを
ひらひらと泳がせて

人の歩く畦の
少しぬかるんだ日陰で
ころりころりと耳そばだてて
笑っているよ 楽しそうに

もうすぐ旅立つ時が近づいて
君も今いる場所を脱ぎ捨てて
投げ出される 未来へ

雨も風もけして止まない
ただ明日の景色を
今日知らないというものすごさ
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