時のかげり(二)/信天翁
 
      午前中は半病人だった男が
           退化しつつある
       足腰膝に鞭をいれるべく
        午後は散策の人となる

ひなびたプロムナードのかなたにうかぶ
            笠雲はなぜか
        彼の傷口を覗いていた
regretという絆創膏が貼ってあるからか

         続くアベニューには
       白い花のほころびもなく
      若い梢のおどしもなかった
         ただ青い葉がそよぎ
       なにかをささやくだけで
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