緑道/ブライアン
光っている、その表面を、触れようとして、手を伸ばしてみても、
それは、無色透明な、光のようなもの。
知っているよ、と、伸ばした手をそのままに、
ごまかすようにして、手の平を、開いたり閉じたりする。
緑道に建てられた時計は、
午後3時を指していた。緑の上、敷かれたビニールは、
まだ漂わない、ビールの匂いがする。
もう、幻を、信じるとか、信じないとかではない。
生まれたての赤ん坊が見る景色は、
無色透明な、光。
触れたものを、不透明にしていく、
事務的な仕事を繰り返す。
すべての出来損ないの美しさを、忘れていく作業!
くせして、得ている物だって、忘れようとするのだからね。
開いたり閉じたりしてから、ちょっと。
引っ込めた腕を、ポケットに突っ込んでいる。
午後3時。
無色透明な夜まで、日差しが強い。
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