つなぎ/あすくれかおす
街路を歩いた
抑揚は少なく
やりとりを続けていた
みしらぬおたがいを
たしかめあうために
たしかであるために
あの夜空の
どれか
星つぶてが
もしも死んだら
実況検分してみたい
星のむくろが
さらさらと飛んでゆく
上気した春から
夜の公園のにおいがする
鑑識たちはしゃがみこんで
わずかな足跡をさぐる
なるべく慎重に
ふちどりはこまやかにと
だけど
涼風だね
月が丸いねと
わりとそぞろに
ぶつぶつ言って
そんなふうに別々の場所で
おたがいへとへとになった仕事帰りに
星屑の散らばったツナギ姿で
帰りの電車で
ぼくた
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)