ねむり/
靜ト
ひとり沈んでいく夜は
月明かりだけを呼び寄せて
鏡の私に背を向ける
それから
秒針の音を消すように
鼓動の音を消すように
そっと自分の肩を叩く
昔幼い私に母が
静かにそうしてくれたように
いつまでも ただ いつまでも
たいらかなねむりにつけるまで
たいらかなねむりにつけるまで
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