セブンスター/小川 葉
 
 
 
朝目覚めると
セブンスターを吸った
誰のかわからないけれど
同じ質量の
わたしも目を覚まして
セブンスターを吸っていた

あの頃と同じ質量の
今日がはじまる
同じ質量のはずなのに
あの頃のほうが
のんびりとしていて
午前中は
キャッチボールしていた
誰としたかは
忘れてしまったけれど

かじかんでいた
指先を
あたためることができた
チャンスのようなものが
僕らには等しく
あっただけなのに

セブンスターにむせていた
あの頃たしか
君にセブンスターは
なぜセブンスターなのか
と尋ねられて
答えられなかった

ここにもまだ
七つの星があることを
今君に伝えたい
 
 
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