継承すべきこと/プテラノドン
授業中は豚小屋みたいに騒がしいが、放課後は静かだった。
皆がみな、もて余すことなく遊び呆けていて
部活をするような生徒は一人も!いなかった。
そして、数年間にわたりグランドを占拠し続ける雑草は昼間、
窓際に座る生徒たちに海に関する想像力を与えた。
彼らは、風車か、灯台のてっぺんから海原を見下ろすように
眠りこけていた。そして、夢の中でもメールの続きを打った。
文章が捕らえようとしたもののほとんど全て
じきに部屋の、教室の中から消え失せたーその原因は
予鈴であったり、誰かの声であったりーで、今日、
画面を遮るカーテンに向かって生徒が言った。
「風の野郎!どうせならスカートをめくれってんだ!」
放課後、崖っぷちの教室から僕は
校庭で騒がしく揺れる雑草を、
卒業生からの寄贈品であるかのように眺める。
そして
そこにある継承すべきスピリットを考えている。
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