超真理男兄弟[場面1−4]/国産和風モモンガ
 
 このへんまで来ればわたしなんかはけっこうお金も貯まっているし仲間も増えていて、多少嫌なことがあったとしても我慢はするようにしているけど何事にも例外はある。というか世界には例外しかない。一人目のわたしと二人目のわたしとではテンションが違う。最後の一人になった時にはほんとうに慎重に、大切に扱うつもりでいる。例外的にわたしが我慢出来ないのは停電当夜のダイニングでトマトソース・スパゲティを作ることだ。視覚を奪われた状態でトマトソースを作るのは本当につまらない。換気扇の音だけがブーンと鳴って、鍋のくつくつ煮える音も様子もぜんぜん見えないから何度も塩こしょうを足しながら味見をする。テーブルには一面ろうそく畑
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