夜の街/砂
夜から人の死ぬ匂いがする
空から紫色の灰が降ってくるせいだ
生ぬるい春の風に乗ってきらきらと
降り注ぐ紫色の灰が目に入るせいだ
紫色に染まった夜の街を
獣のように瞳を光らせて
君はナイフを銜えて徘徊する
性欲と金で人間としての威厳を失った
愚かな小娘たちの黄色い髪を切り落としてやれ
君は長く前髪を垂らし
その間から夜の街を凝視する
不仕合わせな偶然を避けるために
神からの復習を逃れるために
夜の街の灯がすべて紫色に変わる
それを知る者はただ君だけ
君はダイナマイトをポケットに突っ込み
アスファルトの上を音もなく走り抜ける
真夜中の公園で人々に苛められて
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